DF ジオバンニ・ディ・ロレンツォ -Giovanni Di Lorenzo-
毎シーズンフル稼働する“鉄人“ぶりと、CBまでこなす守備力と攻撃センスを兼ね備えた万能SBは、チームと代表に欠かせない存在となっている。決して派手さはないが、チームを陰から支える絶対的なピースだ。ここ2シーズンで公式戦通算95試合に出場し、7ゴール15アシストを記録している。
基本情報
国籍 | イタリア |
生年月日 | 1993年8月4日 |
身長 | 187cm |
出身地 | カステルヌオーヴォ・ディ・ガルファニャーナ |
在籍チーム | SSCナポリ |
背番号 | 22 |
ポジション | 右SB |
利き足 | 右 |
A代表デビュー | 2019年10月 |
経歴
2017年夏にエンポリFCに加入。セリエBを戦うエンポリの主力として36試合に出場し7アシストを記録して、チームのセリエA昇格に貢献した。
2018-19シーズンも右サイドバックのポジションを譲らなかったが、チームは1年で2部に降格した。
2019年7月7日、インテルナツィオナーレ・ミラノとの争奪戦を制したSSCナポリに800万ユーロで移籍した
Wikipediaより
プレーの特徴
安定感抜群の守備力
守備に定評のあるディ・ロレンツォは、187cmの体格もありCBもこなすことができる。タックルがうまくスピードのある相手にも対峙力があり、簡単には抜かれない。SBとしては身長もある方なので、空中戦にも強い。あとはなんといっても体の強さだ。体幹が強く当たり負けしないので、CBのカバーに入った際も対応できてしまう。
この能力は現在のイタリア代表にとっては必要不可欠な要素で、マンチーニの4−3−3は攻撃時には左肩あがりになり、3ー2−5のような形になる。具体的に言うと左SBのスピナッツォーラが高い位置を取るので、右SBのディ・ロレンツォは3バックの右CBのような役割になる。そのため、ボールを奪われた時のカウンターへの対応や1対1の対応が自然と多くなるので、現イタリア代表にとっては右SBの守備力が重要になってくる。そのタスクを課せられた時には、ディ・ロレンツォは最適な人材だと言える。
推進力のある持ち出し
彼の一つの特徴に力強いドリブルがある。1試合通してみると、幾度かは最終ラインからスルスルと前線まで1人で運んで行ってしまうシーンが見られる。EUROでも何度もそのシーンを作り、スペイン戦など延長後半でも見せてくれた。それができてしまう無尽蔵のスタミナとパワーは舌を巻くばかりだ。
また、ボール持っていない時もオーバーラップを果敢に仕掛け、スペースがあると必ず上がってパスコースを作る。オーバーラップとインナーラップをうまく使いわけることもできるクレバーな選手だ。代表ではベラルディが右WGの時は、ベラルディが幅を取って開いて受けるので、うまく右サイドのスペースを活用できるという意味では、もしかするとベルナルデスキのような中に入っていく選手との方が相性がいいのかもしれない。
なににせよ、イタリア代表でもナポリでも右サイドは彼が支えていると言っても過言ではない。
攻撃時の精度の高さ
サイドの深い位置まで持ち込むところから、さらに攻撃にアクセントを加えることができるのも魅力の一つだ。深い位置からのビルドアップの縦パスから、クロスまで高い精度で供給しゲームを組み立てる。まさに万能のSBだ。先日行われたW杯欧州予選のリトアニア戦で決めたループシュートも圧巻だった。
プライベート
プレースタイルとは異なり、彼のタトゥーはなかなか特徴的だ。見てもらえば一目瞭然であるが、いくつも彫っており特に左膝には虎が彫られており、なかなか目立っている。
また、この太ももがすごい笑。この強靭な筋肉が推進力の源なのだと改めて感じさせられた。
まとめ
ディ・ロレンツォはEURO2020でもフル稼働。初戦、フロレンツィが負傷すると、交代で出場しその後はローテーションした3試合目のウェールズ戦を除き全試合でフル出場、右サイドを支えた。その鉄人ぶりと、90分間上下運動を繰り返し、1人でもボールを運べてしまう様はサネッティを彷彿とさせる。今シーズンのナポリの躍進を支えているキーマンの1人だ。攻守ともに高いレベルでこなすSBは個人的に他国を見ても3本の指に入るSBだと思う。
ナポリはディ・ロレンツォと2026年6月30日まで契約を延長したことを発表しており、今後も活躍が期待できそうだ。
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