21−22セリエA第9節 ローマ対ナポリ -太陽のダービー-

21−22セリエA第9節 ローマ対ナポリ -太陽のダービー-

スタジオ・オリンピコで行われたセリエA第9節。ナポリは未だ無傷の8連勝中だったが、結果はスコアレスドロー。勝ち点1ずつを分け合い、ローマがナポリの勢いを止めた形になった。白熱のデルビー・デル・ソーレは両指揮官が退場処分となる波乱の展開であった。

(写真:Getty Images)

太陽のダービー(デルビー・デル・ソーレ)と呼ばれるローマ対ナポリは歴史も古く、1928年にまで遡る。ライバル関係は続き、近年ではローマがブルーノ・コンティをナポリがディエゴ・マラドーナを擁した1980年代が激しかった。これまでの結果はローマの41勝46分44敗とほぼ互角の戦いである。

スターティングメンバー

Googleより抜粋

ミラン戦で復帰予定だったザニオーロが予定よりも早く復帰。いつもの顔ぶれが揃った。ナポリは今シーズン安定したパフォーマンスを見せているアンギサが注目か。前節のトリノ戦でも決勝点を決めたオシムヘンの得点力にはローマは要注意だ。

前半戦

立ち上がり、ローマは積極的に前線からボールを奪いに行き流れを掴む。クリスタンテが中盤の底でフリーで受けられるシーンが目立ち、長短のパスを正確に前線に預けられていた。特にハーフスペースへの供給はペッレグリーニやザニオーロもいい形でパスを受けられていた。ザニオーロはそこからドリブルでいくつかチャンスメイクしており、攻撃の起点となりボールキープもできるのでいいアクセントになっていた。

ナポリもクリスタンテのところがフリーにさせてしまっていたので、途中で修正をかけたのだと思う。ジエリンスキがクリスタンテを気にするようになりプレッシャーをかけるようになった。そこから、徐々にナポリも押し返しだし、攻撃に転じるようになった。しかし、オシムヘンには自由にやらせず、マンチーニとイバニェスのローマCBコンビはいい形で抑えていたと思う。今日のこの試合の2人の出来はとても良く、気持ちも入ったプレーが随所に見られた。個人的にはこの調子でマンチーニは代表に定着してほしいなと思っている。

クリスタンテは相変わらずのボール奪取能力で、中盤を優位に支配していた。ジエリンスキからボールを奪取すると、エイブラハムにスルーパスを供給し、決定機を作ったのはこの試合のハイライトだろう。ローマがチャンスを多く作っていたが、スコアレスで前半を折り返す。

後半戦

後半も一進一退の攻防は続く。後半もザニオーロのゴリゴリ進むドリブルが効いており、チャンスを作る。一方ナポリもディ・ロレンツォ、クリバリの堅い守備で跳ね返す。ディロレンツォの絞り方やカバーリングは本当にさすがだ。

ナポリの攻撃はやファビアンルイス、ポリターノを中心に決定機も作るが、こちらもマンチーニとイバニェスの身体を張った守備で得点を許さない。

試合は終盤になるにつれ、ファウルの判定をめぐって荒れる展開に。後半だけで4枚のイエローカードに併せて、両監督が退場処分となる波乱のダービーとなった。ナポリの連勝は8でストップ。首位ミランと勝ち点で並んだ。ローマはそのミラン戦を31日に控え、上位に食い込むための正念場を迎えている。

まとめ

スコアレスだったものの、とても気持ちの入った面白い試合だった。上位陣との差を埋めるためにもローマとしては勝ちたかったが、連勝を止めた意義は大きいんじゃないかと思う。個人的な発見としては、ローマのCBコンビはこんなに良かったのかと思った。身体を張った守備と集中力を切らさず、とてもいいレベルのパフォーマンスが見れたので、今後の守備の安定感が増せばさらに勝ち点を積み重ねられるだろう。